Dr.パルナサスの鏡

 

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撮影中、ヒース・レジャーが亡くなったので、どうなることか・・・と思われてた本作。

途中で大幅な設定&脚本の変更があったにもかかわらず、

最初からこういう設定で作られてたんじゃないか、と思わせる位、

スムーズかつ華麗に、完成してるんです。



毒々しい設定がカンペキなものになってるのは

最大のポイントは、「鏡の向こうのトニー」という役を登場させたこと。

つまり、ピンチのおかげでこの作品は存在価値を一気にました、逆転ホームラン的シネマだった

ということです。












 

ヒースが亡くなったので、未収録だった彼の登場部分を、3人の色男たちに代打させてるんですが

これが実によい。



登場順に、ジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレル。



いずれも私生活に難アリの色男ですが、彼らの力演がとにかく大きな魅力でした。

白い細身のスーツが、みんな似合うんですよね。

ロン毛で(ジュード・ロウだけ頭髪修正済)。

さらにアイラインをうっすら黒く塗る、ジョニデが演じてた

例の船長サン的なメイクもすると・・・・・・アラ不思議、なんか似てる???



不幸な家庭は千差万別だけど、幸福な家庭はみんな似てるっていう

トルストイの言葉を思いだした・・・り(「アンナ・カレーニナ」)。

いい男の顔ってみんな、あらかじめどっか似てる。



って、また例の脱線しました。



そもそも、鏡の世界とは、Dr.パルナサスの妖術の世界なんですよ。



アンアンのピンクカルチャー特集に出てきたような

バーレスクっぽい世界。



Drはロンドンを徘徊してるあやしげな、旅芸人の座長・・・

というか実質的に半・ホームレスみたいな感じの(馬)車上生活者なんだけど、

あやしい寸劇を使って、鏡の中に一般人をほうりこもうとしています。



その理由は、悪魔との賭けに勝つため。



鏡の向こうは、ほうりこまれた人の考えうる、欲望がすべて満たされる

毒々しいワンダーランドがひろがっているんですが、

この時、「ーーー欲望を過剰に抱くのは虚しい」って反省させて

贖罪の出口につれていけたら、DR.の勝ちなんだそうで。



(連れ込まれるのが老婦人とか中心で、若い男とかおじさんじゃないのがポイント 笑 ←映像化できない)



でも「もっと欲まみれになりたい!!」って、「MORE MORE  MORE」な

煩悩の扉をくぐらせたら、悪魔の勝ち・・・となるのでした。



で、当然ながら、しょっちゅう負けっぱなし。どんどんボロボロになっていくのでした。



ーーーー悔悛させたところで

悔い改めたハズのお客さんが鏡の世界から出てきたら

「セミナー」卒業みたいな過剰にハッピィな雰囲気になってて



もっというと、アハハハハハハ的なアレになってて、



見てるほうが「やべー・・・」ってかんじなんですが。



たぶんこの人、いまは幸せだけど

5時間くらいしたら反動の鬱タイムがはじまって、バリカンで髪の毛全部刈っちゃう、みたいな。



ま、これも伝説のアホ番組「モンティ・パイソン」を作ってた

ギレアムならでは毒のある笑いの演出ってことで。

アハハ



もともとトニーは、橋からツルされて瀕死になってるところを

DR。の娘たちが助け、一座に連れ込んだ男なんだけど、

とーてーも、うさんくさい(じっさい、うさんくさいコトばかりしてたようですよ??)



口八丁・手八丁でハンサムでもないけど、話すのも聞くのも(=聞いてるように見せるのも)

上手だし、親しみやすさから熟女にモテるんですけどね。

少なくとも、恋愛用の男ではありません。





というわけで、イマドキ誰も足を止めない、旅芸人一座の「まほうのかがみ」の寸劇に

お客さんをどんどん連れ込み、そして鏡の中の世界にまで自分も入り込んで

「悔悛の出口」につれていく、という。

カリスマのデパート店員(外商顧客専用)みたいなサポートをして、

悪魔と闘う(?)パルナサス博士を助けるのでした。



もうおわかりでしょうが、鏡の向こうの世界に入り込んだ、お客=旅人を

ぶじ贖罪の出口までエスコートするのが、「鏡の向こうのトニー」なのですわ。



トニーの姿は、連れ込まれるお客の欲望に応じて、その度に変わります。





連れ込まれた老婦人の欲望を反映した時→ ジョニデ(※こう言うときにしか直球の色男を演じない・・・)



トニー自身が自分がこうなりたいと思ったハンサム →ジュード・ロウ(※しつこいけど髪の毛、修正済)



博士の娘の目には・・・ →コリン・ファレル(※理想の男らしい。ちなみに笑える「悪い」男の演技が素晴らしく決まってる。この人、うまいんだなって初めて思いました)



コリン・ファレルの熱演というか怪演(そして眉毛)が、北島マヤ状態で、

ガラスの仮面かぶりまくり。ヒース・レジャーをカンペキに喰っちゃう存在感でしたね・・・・。

ファレル、恐ろしい子・・・

トム・クルーズを鬼のように追いかけてくる眉毛スーツ男の役しか記憶になかったけど、

レンジの広い演技派です。



これからチェックしていこうと思いました。





公開時期もちかかったし、イメージ的にも「アリス・イン・ワンダーランド」と近い位置にある

作品と思われてたかもしれませんが(ジョニ子が出てるとこもかぶってる)、



・・・僕じしん、そう思ってましたが、こちらのほうがまったく比べものにならんほど、クオリティが高かった。







by horiehiroki | 2010-09-17 05:08 | 映画 | Comments(0)