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四天王御江戸鏑@国立劇場

四天王御江戸鏑(してんのうおえどのかぶらや)を見てきました!

今年はずいぶんおそい初芝居でしたが、やっぱりイイものですね。



今回の公演はいわゆる「菊五郎劇団」によるもの。

つまりスーパースターの尾上菊五郎さんのリーダーシップのもと

花形の若手~ベテランまでが登場するという贅沢なものです。

さらに今回は、初演されていらい、上演されることのなかった

「復活狂言」でした。

歌舞伎っていろんな楽しみがあるけど、結構この手の

復活狂言が自分は好きです。なぜってストーリーがわからない舞台って

やっぱりワクワクするじゃないですか。



で、菊五郎さんが座頭の公演には必ず、彼の趣味(?)の

お笑い要素が入ってて、これがイイんですね(ww



今回は・・・








遊廓のカムロガールズによる

AKBなんちゃらがショート丈のキモノに生足、

そして黒いハイソックスという
斬新な出で立ちで現れました(ww



ちなみに白 塗 り です



えっ あれが男の子? 



っておもってたら、パンフにはちゃんと女の子の写真が・・・(w



ちょっとホッとしました



まぁ、それはともかく、

「序 幕 相馬御所の場」では

久しぶりに澤村田之助さんの姿が見れてよかったです。

幹部俳優も幹部俳優、老女専門俳優って感じですが

すごい風格! やっぱり台詞回しがぜんぜん違ったなー。

「母上様」「御母堂」って感じなんですよ

今回も母役でしたけど、朝廷に反旗を翻した平将門の妻、そして

尾上菊五郎さん演じる相馬太郎良門(そうまのたろうよしかど)のママンでもあります

まぁぶっちゃけ悪の集団のゴッドマザーなんですけども(w



良門は、いわゆる公家悪の系譜だと思います。

系譜的には、平将門の息子ってことになってますけど。



舞台の真ん中にデーーーンと鎮座ましますだけで、

ほっとんど動きがないのに、ちょっと動いただけで

・・・なんでしょう 山が動いた(※土井たか子ではない)

って感じすらしました。

そういう人ですから「沈んだ太陽もどってこーーい」って

扇で仰ぐだけで夜から昼、それも正午に時間が逆戻りしても

まったく不思議にはみえない(w

むしろ「おおおお」と感動してしまうという。

歌舞伎のマジックでござるよ。

座ってる「だけ」なのも歌舞伎俳優の器量が恐ろしいくらいに

タメされるものだと痛感しました



今回の舞台では



三幕目 第一場  羅生門河岸中根屋格子先の場

第二場   同 二階座敷の場

第三場   同 花咲部屋の場



と、菊五郎さんが鳶の大将として登場しますが、

この時のいかにも江戸っ子らしいキリッとした色っぽさは

またまったくの別物。チャンネル変わるくらいに演じ分けてました

こういう多様性も歌舞伎俳優に必要とされる器の一つです。



なお、一回目の休憩の前に、菊之助さん(今回の主な役は

蜘蛛女)が宙乗りを魅せてくれますが、

年齢不詳の美魔女系とはいえ

女性の宙乗りって案外ないので

貴重だと思いました



それゆえ飛び方もエレガントでみなさんため息でした・・・



蜘蛛の芸(手からブシャーって白い糸をハッする例のアレ)を何回もしながら

とんでいくのですが、糸がとんできたら

キャー

って女性ファンが(ww



蜘蛛の芸は尾上家のお家芸なのだそうです

今日初めて知った・・・!

しっかし、投げられた糸をクルクルクルッと

巻き付けて舞台にゴミを残さないようにする

黒子さんの技術力の高さにはもっと感動させられました



しかし彼には

自分もウットリしてしまいました

「時分の花」だと思いますよー。

彼は今、一番美しい女形の一人だと

思います



あと前もこのブログで少し書いたけど

お父さんが早くに亡くなられたので、菊五郎さんが

預かるようなカタチで成長を見守ってる

尾上松緑さんたち、若手俳優のエネルギッシュな演技も

光ってました。



特に松緑さんのスジの良さは、もう何者にも代え難いと思いましたです。

菊五郎さんももちろん美味いけど、とにかく松緑さんの動きひとつひとつが

この人は将来の歌舞伎を背負って立つだろうって

気がしてなりません。水際だった立ち役の色気を

最近ヒシヒシと感じさせてくれる人です。



あと今回特筆すべきなのは、

1987年生まれの、中村梅枝(なかむらばいし)さん。

中村時蔵さん(ふだんは女形。でも今回は老女と男性を演じてて、ちょっと特殊でした)

梅枝さん、見た目もキレイだし、美声です。

面長でいかにも浮世絵の美女みたいですした。



先月の松本幸四郎の重厚な古典歌舞伎も素晴らしい経験でしたが

お正月だし、むずかしいことぬきで

ひたすらに色っぽく、華麗な色彩の世界を味わうのも

ホントに素敵でした。



お正月といえば、会場ではお茶席、それから福引きもやってました



まったく当たりませんでした

by horiehiroki | 2011-01-15 04:08 | 観劇