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平清盛(27)~テラカオス



今回の清盛はカオスでした。いつもよりカオス特盛りです。


Before

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よりとも「きょうもあしたもどうでもいいです」。 



After

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まさこ「もののけをつかまえたぞ!!! って 人?!」


失意の貴公子が、ドリフのコントみたいなのに巻き込まれてますがな 

テラヒドスwww




こういう最悪の出会いから恋愛に発展するのがドラマのいいとこだよねー現実ではありえないよねー


こんかいは、まさこちゃんのヤンチャぶりが激しかったですね。まぁあれだけ汚いのにかわいいのは、演じてるのが杏ちゃんだからと思う。


「イノシシを仕留めましてございます! 今宵の膳に!!」

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「逃げるなー!!」

ナイスキャッチ!! 父と娘の連携プレー!!

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…みたいな内容で、清盛クンが出家したことは

うわあああ!! の感触以外残らなかったね!

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ジョリジョリジョリ

これほんとに剃っちゃったんですっけ?

After

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(今回から憎まれキャラに逆戻りの)後白河さんにも「よう似おうておる」「都を捨てるのであれば、よほどの覚悟をしてからのぅ!!」とか言われてましたが。

時子も出家、「二位の尼」となりました。

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そして高倉天皇。

彼は、時子と清盛の間の娘・徳子(のちの建礼門院)と結婚します。
音楽や芸事に秀でた芸術的才能の高い方で……まぁ、色々と恋愛関係も派手でした。
平家物語には、高倉天皇と女官の禁断の愛(って、なぜかというと
徳子をほったからしにしたっていって、清盛君が怒っちゃうという設定ですね)が、
いわゆる源氏物語みたいな恋愛小説タッチで描かれるパートがあります。
あきらかに他と文体を違ってる感じ。


あと、高倉天皇や徳子の周辺に仕えた、右京という女房の手による
「建礼門院右京大夫集(けんれいもんいんうきょうのだいぶしゅう)」
という随筆みたいな作品があります。

名作で、しかも短いので、よかったら読んでみてください。

この人は、平資盛という男性との悲恋を歌と文にのこした女性です。

平資盛は重盛の次男。大河には出てこないかな。

壇ノ浦で亡くなるんですが、右京は彼の死を聞いて、なんとか琵琶湖(だったけ)まで旅をして、彼の最期がどんなだったかを忍ぼうとするシーンがラストあたりに出てきます。わりとオチがつかない文学作品が多い中で、
この右京さんというひとはホントに恋をしてたんだなってわかりますね。

なお、この人のおかげで、高倉天皇と建礼門院(平徳子)の関係はかならずしも史実では悪くはなく、それなりに愛情に満ちたものであるということがわかるわけですが。・・・・・・・と話がずれました

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あとこの人・平頼盛(清盛の父と母の”正式な子”)と清盛の異母兄弟の諍いをつうじ、清盛が大きな計画をついにクチにするという場面が今回のドラマの核だったと思います。




「おめでとう~」

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今回の「清盛」、もうすこし、こういうドロドロした男性特有の「嫉妬」を描いてくれると、おもしろいんですけどねー。みんないい人すぎますぅ

清盛の息子たちにどんどん出世されてしまって、置いてけぼりの頼盛さん。
平安時代では父親だけ立派でもダメ。家族の経歴に、男の子の出世は大きく左右されるのです。


かわいそうな頼盛さん。

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なんとか「境遇に同情しちゃうのよ~」という八条院らの口利きで(清盛の子らにまじって)、参議(ようするに貴族社会の中の”特権階級”になれたということ)にのぼったものの、京の都で滋子に仕えるという役職と、太宰第弐(だざいのだいに)という現在の福岡県での役職の両立はやっぱ無理だよね~ということで、クビになってしまうのでした。ある種のいやがらせと陰謀?(笑

そうそう、八条院様演じておられる女優さん、つるかめ助産院にも出演なさってますね(w 白河院も。



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父上!!と報告にきた重盛。この人は平家一門の良心です。

内大臣にまで出世しますが、清盛が亡くなるよりもはやく、実は若死してしまいます。

彼の存在が(滋子が若くして亡くなった後の)後白河と清盛の間をなんとか

取り持っていたのですが・・・また機会があるとおもうので、そのとき語ります。

さて、失意のドン底の頼盛を清盛は、福原によびよせます。

京の宮廷の改革ではなく、

新しい都を、福原という新しい土地で、新しい帝と共にスタートし、

それをサポートする平家の姿で、あるべき国の姿を世に知らしめそうと

大それたことを言い出します。

そうですねー、

ホントに清盛ってこういうことを考えはじめた最初の人だったかもしれません。

天皇より天皇らしい人が出てきてしまうという未曾有の事態が、現実のモノとなったのは室町幕府の三代将軍・足利義満の時代ですが、おもえば、こういうことがありました。

清盛および平家一門(および足利一門)には日本史の悪役が割り振られていますが、

それもこれもこういった革命的なことをやろうとしていたから・・・ともいえますね。


ということで、この手の話題のてんこ盛りな堀江の新著の「天皇愛」、9月19日発売決定です。辛酸なめ子先生とのコラボです。そういう意味でも豪華な本でござる。版元の編集さんいわく

「見本をぱっと見た限り、装丁も本文もいい感じに仕上がっています」

とのことです。見本みるのが楽しみだなあ。


20日には全国の店頭に並びますので、ぜひ、よろしくー


あと告知その2 




【次号予告】「源氏物語入門」(2012年11月号)のLINE UP ラインアップ


■本名は? どんな生涯を送ったのか?
紫式部とは何者だったのか?

■光源氏の口説きテクニックを徹底解剖
光源氏の生涯と恋愛論

■桐壺、藤壺、六条御息所、紫の上……
『源氏物語』の女君たち その恋愛パターンを読む

■日本最古の絢爛豪華な物語の世界
国宝『源氏物語絵巻』を徹底解剖

■京都御所から宇治まで、
登場人物たちの足跡をたどる
『源氏物語』ゆかりの地を歩く



女君たち その恋愛パターンを読む という特集を執筆・監修しました。

こちらも面白くなってるはずですので、ぜひご一読ください。

イースト・プレスから発売された堀江の
「あたらしい「源氏物語」の教科書」という既刊もよろしくでーす









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(゚ー゚*)。oO(スチール写真より演じてる姿でみると自然で似合ってますね。後の義経です)
by horiehiroki | 2012-09-12 08:01 | 歴史・文化