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国宝大神社展

「国宝 大神社展」に行ってきました。
よかったですよー。
その名にたがわず、国宝、重要文化財ではない展示品のほうが少ないほどで、感覚が麻痺してくるほど。
そして、今回の「大神社展」で見ることができた宝物ほど、直に接する以外に伝わらない存在はこの世にはないとつくづく思わせられました。

国宝大神社展_e0253932_1404534.jpg


広告はわりと「?」なビジュアルなんだけど、実物の凄さには心底たまげますから。

とかいってる自分も当初はぎゅうぎゅうに混んでるっていう噂を聞いてて、尻込みしてたんですが・・・・・・・・。

先日の「うたもゑ」の打ち上げをかねた会食の席で、こうづき先生も忙しいスケジュール割いて、見てきたっておっしゃるし、八條先生は(有志で)ツアーまで組んでおられたし・・・ってことで、急に行きたくなったわけですよ。

なにより、今回の展覧会は大変な苦労のすえにコーディネイトされたものであり、「ここにいる皆さんの目の黒いうちには再現不可能」とまで知ると行かざるをえないわけです。

なにより現地に赴いたところでなかなか拝観など叶わない、「 実 物 」を目前にする機会などない、と。

※一部の神社からは御神体そのものが出御してしまってるという事実まであります。

それを批判的に捉えるのではなく、2013年という伊勢神宮(20年ぶり)や出雲大社(60年ぶり)の遷宮などが重なる「特別な年」をお祝いするため、各地の神様、関係者の方におおいなる協力をお願いできた…ということをわれわれは喜ぶべきなのだと思いました。

それで、自分が行った時間は奇跡的に空いていまして。ありがたかったです。
第一室の展示から感動しました!

有識装束の最古の現存例として有名なんですけど、鶴岡八幡宮に亀山上皇が奉納なさったといわれる装束の実物を間近に見ることができたんですねー。

黄地 窠霰文 二陪織物(きじ か に あられ もん ふたえ おりもの)

という。わかりやすいようにスペース空けてみました。※八條先生からご指摘いただいて訂正しました

か に あられ で、カニアラレではないのがみそですw


窠(か)・・・ 瓜を輪切りにした形に似た文様または紋所。一説に、蜂の巣の形ともいう 


窠紋 ・・・ 有職文様の一。円弧を花弁のように四,五個輪につなぎ合わせた形。中に唐花や鳥を配する。鳥の巣の形とも瓜を輪切りにした形ともいう。御簾(みす)の帽額(もこう)の装飾に用いられるので帽額紋ともいい,「木瓜(もつこう)紋」ともいう。窠。  

以上、「大辞林」の記述から。

カニ紋、ではありませんでした
スイません。

ちなみに窠という文字、および窠紋は、ウチのPC用の辞書では調べても出てこない…。


一説に元寇の折でしたので、武運を祈り(古代、対外戦争で勝利を得た)神功皇后のための神服として奉納したというエピソードも。
黄色だったのか襟の部分などでしょうか。一部だけ色が残存してる程度。

表面には刺繍した市松模様のような紋様、さらに「か に あられもん」などがみえますが、これらすべては織っていく時点で織り込んであるんです。

洋装ではオートクチュールの世界なんかで、刺繍を贅沢にあしらい…とかいってるけど、そして値段もハネあがりますけど、その刺繍以上に贅沢な世界があるあるわけですのよ。


ものすごい細い絹糸を駆使して、さらに高度な技術を駆使して作られたもので、素晴らしい・・・。


前期は、このとき亀山上皇が奉納した別の装束が出品されていたようです。福岡の「巡業」に出るようなことがあれば、福岡にも行ってみるかな・・・。九州には一度も足を踏み入れたことがないので。

あと、鹿島神宮の「黒漆平文太刀拵」。


これは神威(しんい)が、すごかった。遠くからでもわかりました。

なにげなーく、置いてありましたし、とくに注釈もありませんでしたが・・・鹿島神宮に霊剣として伝来したもので、いわゆる御神体の一部かと…。

御神体と顔を付き合わせて対面できるチャンスなどそうそうないでしょう?
そもそも畏れ多いことではありますが、こういう与えられたチャンスを活かすべきであります。まことに美しい剣(直刀)でございました。整備はされているのは当然として、まったく年老いていない。「古美術」なんかのククリではないわけです。

この刃渡り2㍍以上の霊剣の存在感はとにかくものすごくて、神々しく、思わず二拝して手を合わせたり、(覚えてる範囲の)祝詞っぽいものが口にでてしまいましたよ…。

刀といえば、七支刀なども見ることができましたが、これも奇跡的な存在ですよね。ほかに、豊国祭を描いた屏風ではその演劇的、映像的な表現に圧倒されました。

さらに、最終パートは神様の像こと、神像(しんぞう)のオンパレードでありました。美術館に美術品として収納されて長い仏像などからは決して漂わない空気が会場に流れておりました
これらの神像のアウラもそれはそれは神々しく、思わず二拝して(略)。

神像は仏像のように表情やお姿の決まりが少なく、個性的なルックスのものが少なくないため、そういうのもあるでしょうが、とにかく、生き生きしているのが特徴なんですね。

写真では「なんぞこれ」にしか映ってないけど、ホントに凄い存在感なんですわ。
思わず手を合わせてお願いなどをしてしまうわけですけど、「世界平和が」とかそういうことしか願えないレベルの神々しさ(笑

思うに、もっとも写真では伝わらないのがこの展覧会だと思います。まだこの奇跡に接する機会は残されていますので、未見の方はお急ぎください。絶対に拝観しておくべきです!



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百人一首 うたもゑ

(日本じゃ)世界三大美人なんていわれてる小野小町。でもずっとモテる、恋をし続けるということは、あるいみ「たったひとりの誰か」に出逢えてないってことなんです。平安時代、百人一首に収められた歌人たちの歌をベースに展開する、絵空事ではないリアルにして美麗な恋愛絵巻まんがですー。

藩擬人化まんが 葵学園


大河ドラマでもそうですけど、江戸時代はなぜ「ああいう社会」なのか? なんで現在でも県民性は「ああいう風」に存在してるのか? …みたいなことが漫画+文でザックリと理解できます☆

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by horiehiroki | 2013-05-14 01:40 | 展覧会