NHKスペシャル"宝塚トップ伝説~熱狂の100年~
2014年 05月 05日動いた時、さらには舞台に立った時の迫力が凄いんですよ。
NHKスペシャル"宝塚トップ伝説~熱狂の100年~見てて、ビックリしました。
途中(我が家で)、キスシーンは女同士(タカラヅカ)のほうが
男同士(歌舞伎など)より、ずっとリアルだという話になりました。
実際にキス(など)はしてないのに、してるように見せるというのはどちらも
様式美の世界なんだけど、歌舞伎は「してないですよ」「それは、ほれ、様式美の世界ですから」というのを全面/前面に出して、あるいみで逃げてはいる。キレイにまとめすぎている。
(というか口づけ的なシーンって、近松モノ以外にあったりしただろうか、というくらい、印象が淡い。自分がよく歌舞伎を見にいってたころ、ある演目の場の転換シーン、ブラックアウトしながら福助演じる女郎かなにかが、橋之助演じる恋人に呼びかける声の色っぽさ・艶っぽさが、やたらと突出してたのをいまだに覚えてるくらい)
しかし、タカラヅカは「してないですよ」という前提を死守する一方で、
果敢に攻め込んでいる。
10年に一人の逸材とされるの柚季礼音さんが「眠らない男 ナポレオン」という舞台で、ナポレオンを演じておられるのですが、この公演にはなんどもなんどもキスシーンがあります。
柚季礼音さんは、その度にすごい工夫をしてるわけです。演出家のように相手役の女性に演技を(リクエストというカタチで)つけていく。スターは劇空間すべてを支配しているんだなぁと思わせられる。舞台は「スターの世界」なんですね。
何人もスターが今回登場しましたが、とくに柚季さんの演技力や歌唱力には目を見張らせられました。
これは青年時代(下級貴族出身の仕官時代)のナポレオンだけど、ほんとにイメージをつかんでいる。
他のスターさんだったかな。とにかくある方がいってたけど、
役者の何をお客様が見たいと思っているか。
それが一番大事とする価値観は男同士の舞台の世界でも絶対にあるはずですが、
歌舞伎のさらっとした表現は、お客が舞台に何を求めているのか、その違いかもしれない。
いや、現代歌舞伎での「濡れ場」は(基本的に)行為自体の表現というより、愛の空気を描くことに「たっぷり」と努力してる傾向があるような気がします。
(そもそも濡れ場って歌舞伎から生まれた言葉ですよね)
…とはいえ、歌舞伎は(一部の)役者が売色に加担してきたタイプの演劇であります。
だからこそ、いや、とくに現在のエスタブリッシュメント化した歌舞伎では、キスシーン一つにせよ色恋の表現に慎重であるべきと考えるのかもしれませんな。
いやらしい歌舞伎って、現代では実現が難しい気がしますが。
※海老蔵と福助の「桜姫~」の有名な「濡れ場」。
そして、現役時代はおろか、舞台を下りた後も、タカラヅカのスターたちは、「スター」という生き物なんだなぁ・・・ということも実感しました。
それにしても!
今日は地震があったせいか、体調悪いですわー。
ま、がんばって大河のレビューかいておこうっと。