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西洋の故事成句おもしろ事典

 今日、演奏会に出かける時に電車の中で読んでた本です。おもしろかった!

 

seiku.jpg 「ローマは1日してならず」など、我が国でも定番の格言の背景を、

上智大学名誉教授だった三浦一郎さんが格調高く教えてくれるという内容。

 

ローマ時代の歴史系の古典(スエトニウスとかプルタルコスの歴史書ですね)に

「ローマは1日してならず」はオリジナルがあると思ってたけど、ぜんぜん違うんですな・・・

しかも、「ローマは1日にしてならず」、このフレーズ、もしかしたら英語圏と日本でしか主に通用しない名格言なのかもしれません。









オリジナルとされるのはセルバンテスの『ドン・キホーテ』。しかし原典の中には

「ローマは1日にしてならず」という表現は出てこなくて、スペイン語から英訳される時に



「サモーラも一時間では落城しなかった」というフレーズを、サモーラなんてイギリス人わかんないから

ということで「ローマは・・・」ということになったんだって。

日本に翻訳として『ドン・キホーテ』が入ってきたのは英訳からのいわゆる重訳でした。

なお、これは本に書いてなかったけど、『百年の孤独』をかいた南米の作家・ガルシア=マルケスだかが

「少年時代、『ドン・キホーテ』はずっと英訳のほうをオリジナルだと思っていた

スペイン版(オリジナル)は、出来の悪い翻訳だと思っていた」といってるのを思いだし、

めちゃくちゃ格調高く英訳されてたんだな・・・・・ということを今日はヒシヒシと感じてしまいました(笑

 

あとアダムとイブが食べた「智恵の実」。聖書の「創世記」にはただの「木の実」としか書いてないんだそうです。

リンゴとばかり思いこんでましたが、寒冷地中心で実るリンゴは、通常、聖書がうまれた中近東で珍しいのだそうです。

その後、ツイッターで話をしていると、「adam's apple(アダムのリンゴ、つまり男性の喉仏の意味)」は、その場合どうなるんだ?! ということになって、調べてみると、またもや意外なことがわかりました

 

そもそも「アダムのリンゴ」表現は、

ヘブライ語にあった tappuah haadam (男の膨れたもの)という

成句を

tapuah haadam (アダムのリンゴ)と誤訳したことから、らしい。tapuha……はラテン語ですね。

アダムのリンゴという言い回しになったのは しかし男の膨れたもの とは…(汗)

まぁ、それはともかく。

たしかにアダムのリンゴという表現を使っているのは、主に北ヨーロッパ中心ということも判明。

 

■ヨーロッパ言語における「喉仏」---

 

英語 Adam's apple

ドイツ語 Adamsapfel 

フランス語 pomme d'Adam 

イタリア語 pomo d'Adamo

スペイン語 nuez de Adán (=アダムのナッツ)

ギリシャ語 .karydi tou laimou (=喉のナッツ)

 

南国イメージの強い国ほど、リンゴがナッツに変わっているのです。

なお、アダムがたべた智恵の実こと、創世記の果物とは何かということですが、

学者によっては「オリーブ」とか「イチジク」という説が出ているそうです・・・・・・

 

なんとなくレモン?のような気がします。結果が酸っぱいので。

それはともかく、これらの目からウロコの知識を得ることはとても大事です。

しかし、それらをただの雑学、豆知識といってるのではちょっともったいない。

その背景にあることを調べると、色んな気づきがあって、とても面白いですね。

自分が本を書く時の原点もこれだったな、と改めて思いました。

by horiehiroki | 2010-10-27 01:16 | 読書