フリーライター・作家の青色申告(参考情報・追記 17年1月04日)
2010年 11月 27日(告知) 2016年7月20日 乙女の美術史 日本編 文庫版」、カドカワから発売! 書き下ろしの「恐い世界史」は三笠書房、王様文庫から発売中。
(追記)
WIN10ですと、工夫しないと弥生10はインストールすら出来なくなってしまいました!
作家、フリーライターなどのしごと上、
最新版でなくても基本的な大きな変更はなさそうで、毎年使えてますが
新しい版だと同じ弥生でもソフトの操作性は変わるかもです。
自分はあんまり新しいソフトを導入するのが嫌いなので(用法覚えるのに時間かけるの無駄だと思う)
工夫してできるかぎり続けますけどね~。
作家・フリーライターをしている人のための
青色申告についての情報を書いておこうかな、と。
くれぐれもこれは一個人として作家・堀江宏樹が書いてるもので
税の専門家の記述ではないことです。疑問に思ったことは
箇条書きにしていき、まとまったら
東京都や地方の税務署に電話して教えてもらいましょう!
丁寧にやさしく教えてくれますので。
ものすごくザックリとした記述で、これを書いている本人が
まだ試行錯誤の段階なんですが、まず本人が
ここ数日の猛勉強で学んだことを忘れないように、という気持で
書いています。
※間違っている場合などは、メールで指摘していただければ嬉しいです。
青色申告に切り替えると、それだけで10万円の控除を受けることが
できますが、65万円の控除を受けるためには、帳簿の記入が必要となります。
今回はその帳簿を作るためのTIPS,豆知識をまとめてみました。
世の中の青色解説本は、基本的に
色んな仕事をしている個人事業主さんに対応させるため、
いろんな情報がのっているので(のりすぎてるので)
初心者には、ぎゃくによくわからないというパラドクスがおきます。
ですので、ここに書いている情報は、自分のように
出版社から振り込まれる、原稿料だけで
生活している作家・フリーライターをしている人のための
一個人としての「情報」です。それ以上でもそれ以下でもありませんので
ご注意ください。
(同じ作家でも、同人誌などを作って、在庫を抱えてる場合、
少し状況が変わると思うので、一部しか参考にならないと思います、スイマセン)
さて、ここまでがながーい前置きです。
■青色申告に必要なもの
青色申告に必要な経理用語は
「あたらしい外国語」だと思ってください(w
日本語と似てるけど、外国語です。
お金の話す言葉だとイメージしてもらって
かまいません(w
青色申告の書類登録が終わった方を前提に書かせてください。
今回、はじめて、65万円控除のある帳簿付けに挑戦するという
人が対象の記事です。
青色申告しようという年の1月1日の時点で必要なものは
下の通りです。
1/仕事専用の銀行口座・・・
1月1日までに、すべての原稿料の入金先、
経費用のクレジットカードの引き落とし先、
水道光熱費、地代家賃、その他必要経費全てが
ココから引き落とされるようにしておいてください。名義変更には最低2-3ヶ月かかります。
2/現金・・・
12月中に10万円ほどの現金を用意しておいてください。
また、毎月、定額○万円を○日に、現金にプラスすることを決めていると、弥生会計などの
ソフトに入力が楽です
減ったり、マイナスが出そうになったら、仕事専用の銀行口座から足すようにしてください
(そしてその旨、ちゃんとデータとして記載すること)
3/弥生会計などの会計ソフト
僕は「弥生会計 10」という会計ソフトを使ってみました。
会計ソフトの代金は、経費にすることが出来ます。
弥生、使いやすいです。若干クセはありますが。
手元に、仕事専用口座の通帳を用意した上で、
ソフトをパソコンにインストールします(インストールに
時間がかかる場合もあります)。
※弥生10の場合、導入用に音声ガイダンスがついていますが、
あまり会計用語に詳しくない人は、音声ガイダンスを聞いても
専門用語がわからず、不安が膨らむだけだったので
別にきかなくてもいいです。
作家の場合、
ソフトをインストールし、導入する場合の注意点がいくつかあります。
まず弥生会計10では、
1月1日時点での現金、
そして仕事専用の預金口座の残高について聞かれます。
(金額はあとで変更可能ですが)。
デフォルトで10万円(現金)、200万(預金)と書いてあるようですが、
ホントの数字を記載すると楽です
次は「得意先(売り掛け先)情報の設定」
という画面になります。
ここは、あなたが取り引きしている出版社を全て入力です
(※あとで、「導入」のコーナーから加えることもできますが)。
この時、僕は「売掛金残高」を全てゼロにしておきました。
次は「仕入れ先情報の設定」という画面になりますが、
作家は「仕入れ」とかしませんので、未入力のままです。
■「取引」の画面ですべきこと
次に出てくるのが「取引」の画面です。
見知らぬ名前の○○帳的なモノが並んでいますが
専業作家が使うのは、次の3つだけ。
現金出納帳
預金出納帳
売掛帳
以上です。
現金で買ったものは、現金~に。
クレカで買ったものは預金に、
原稿料については、預金&売掛帳に書いていくという感じです。
注意点としては、毎月1度くらいは
・入金された原稿料
・現金、クレカ分の経費
以上のデータ入力することです。
今年の自分のようにまとめてすると、もの凄い手間暇がかかるし
ホントにすべての経費が計上できたか不安になったりしましたので。
また、経費は現金で得た領収書、レシートと、クレカで買ったモノの領収書を
ちゃんと分別しておくこと。できれば経費の品目別に!ということです。
現金も預金も関係なく、レシートに書かれた経費額を
合算して、●●費、XX万円・・・というようなザックリした取り扱いが
帳簿を付ける場合、できません。←ここに最初、自分は引っかかりました。
1/現金出納帳・・・現金で経費が発生した場合、記入。
ここに○月○日、XX費(資料費など、
作家に認められてる経費区分が弥生では選べないので、
「諸会費」などにしておきます)・・・
というように、お小遣い帳感覚で、データ入力するだけでOK。
具体的には日々の(仕事用)交通費や、
現金で買った(お客用の)飲食代(=福利厚生費、または会議費)・・・などなどを描き入れます。
年始の10万ではじめ、それが足りなくなった&なくなった場合、
預金出納帳からお金を取り出し(「相手勘定科目」で、「現金」を選択)すると
自動的に「預金」が減り、「現金」にお金が入った・・・ということが記載されます。
当然ながら、現金から仕事用の預金口座に、
お金を入れることも出来ます(「普通預金」を選択)。
弥生の場合、現金出納帳と預金出納帳が連動してるので、
現金出納帳に「普通預金」、「預け入れ」と書かれたモノは、
ちゃんと預金出納帳にもその旨明記されていますのでご心配なく。
初心者には絶対に「ややこしい」と思われること書きましたが、
ソフトをいじってたら、自然に覚えます。
というか覚えないといけません!
※ポケマネから「なんとなく」出してはいけません。記載がめんどくさいことになりますので。
2/預金出納帳・・・クレジットカードで、経費を使った場合を記入。
経費にあたるモノを買った日に、
現金出納帳の記載と同じく、
○月○日、XX費、として書いておきます(クレカの引き落とし日ではだめです)
たとえば、クレカで仕事用の衣服を購入した場合は、弥生の預金出納帳に、
○月○日、消耗費として記載。
なお、パソコンなどの場合も、弥生だと「消耗品」としてしか、経費の種類は選べないようです
経費だけでなく、
原稿料についても、
入金された額を「売掛金」として記入しています。
この時、入金の度に出版社から送られてくる
「入金通知書」を絶対に捨てずに取っておくことを
こころがけてください。
自分は置いてるつもりが、かなり抜けてました。捨ててしまってたのです!
白色申告や、帳簿を作らない青色の場合、
「どうせ年末にまとめて送られてくるんでしょ」
という甘えがありました・・・。
現金より、クレジットカードで色んな経費は済ませられるようにしておくと、
記載が楽かもしれません。
他に覚えておくべきことは
○預金出納帳から、
自分用、個人用に使うお金を出す時は「事業主貸」と記載。
たとえば、仕事用でなく自分用の定期預金に預け入れするときも
「事業主貸」です。
逆に仕事用の預金出納帳に、自分用、個人用の口座などから
お金を”戻す”時は、「事業主借」となります。
貸 と 借 という一文字だけちがってるだけなのに
意味が全然違ってくるので注意しましょう!
ややこしく思えると思いますが、
確定申告にホントに必要なのは、ホントに限られた用語の知識だけです。
これらはその知識の一つです!
あと、
○預金出納帳から、仕事用の現金にするために
お金を出すときは「現金」と記載
することもわすれないように!
3/売掛帳・・・
原稿料について記載するためのものです。
われわれの場合、原稿料から、源泉徴収分が天引きされています。
この記載には迷いますが、たぶんこれで大丈夫だと思います。
我々の場合、
契約時は5万円のギャラ(原稿料)でも、
入金は4万5千円になっていますよね。
そのうち5000円が源泉徴収分にあたります。
これをどう帳簿に書いたら=弥生に打ち込んだらいいのか迷いますが、
この時に使うのが、売掛帳です。
預金出納帳とはまた別に、売掛帳に記載せねばなりません。
しかし、記載に関してはやや知識とテクニックが必要です。
「取引」の画面から、左端にある「科目設定」をクリック。
ここで、設定を行います。このページがとても参考になります。
注意ですが、このページの上のほうに書いてある例は実行しては
いけません。
ページの真ん中以下にある
「事業主貸勘定グループに源泉所得税管理用の科目を作成しましょう。」
の情報を参考にしてください。
具体的には「仮払源泉税」という区分をつくってしまうのです
(この時、取り扱いのある出版社をみんな登録してしまいます)
また、原稿料を売掛金として扱う場合ですが、
↓の画像をよくみて、
http://pds.exblog.jp/pds/1/201110/14/32/e0253932_1431363.gif
5万円のギャラで、入金が4500円、そのうち5000円が源泉徴収分
という場合、画像のとおり、
「売り上げ」として、50000(売上金額欄)。
「仮払源泉税」として5000円(回収金額欄)。
「普通預金」として45000円(回収金額欄)。
結果、残高が「0」になるように毎回しておいてください。
こうすると預金出納帳に
○月○日、普通預金 45000円として入力されたデーターと
一致するのでOkです。
これはちょっと複雑で分かりにくいから、画像をつかって
ご説明です。
たとえばあなたが某社から
手取りが30000円になる、という契約で執筆したとします。
するとこの場合、33333円から、3333円が源泉税として引かれ、
普通預金に30000円が入金されたように
記入するのです。
(追記:12月19日)
この画像の月日、少々問題がございます。
振り込みがなされた日付で書かれているということですね。
青色申告は「発生主義」にしなくては、となってます。
・・・フツーの日本語では
利益が発生した(帳簿的用語には、売掛金が発生した)、
その時点の 日付 ○月○日を書かなくてはなりません。
しかし、現場の作家としては、これがよくわからないというのが
現実。
利益の数字をちょろまかしてるわけではないんだから、
そこだけ正しければいい・・・とは思うんですが、
編集者に原稿をメールを提出した日付で
いいんじゃないかという説があります。
(複数回にわけて提出した場合は、最後の日付)
↑のようにデータ入力がちゃんと出来てる場合、
預金出納帳にも反映されてます。
注意するべきは、売掛帳のページは登録した各出版社ごとに
設定されているということ。
A社のデータを、B社の欄に書いてはいけないということですね
(やり直ししないと二重請求みたいな感じになって、預金額が
不当に減らされてしまいます)
ーーー慣れない作業に夢中になってると、よくありがちでした。
●●まとめ●●
・・・・と色々書いてきましたが、これでほぼ必要な知識はすべてです。
数はありますが、これらを繰り返すだけでOK.
これらを1-12月まで記入しおえ、最終的に「決算」をすれば
ソフトが色いろ必要なデータをはじき出してくれるという感じ(っぽい)です
今、自分も初挑戦なのでよくわかんないことありますが、また判明しだい
ブログで記事を書く予定です。少しでも役に立てますように!
そして、最後にご注意です。
「帳簿づくりは来年から」と思ってるひとも今年のウチから、
今年のデータを使って出来るところまでトライしてみましょう。
絶対に最初は使い道が分からないものです。
ホントに大幅なロスタイムがあるはずです。
ただ、知識を得てしまい、それからソフトを使うかぎり、
帳簿作りは単純作業です。
そして青色申告用の帳簿作りは
預金出納帳、現金出納帳、売掛帳、
この3つの書き方や記載のルールを知り、
データーを正確に入力する、ということに尽きます。
これらが作れていれば、帳簿も自動的に作成できるわけです。
(告知) 2016年7月20日 乙女の美術史 日本編 文庫版」、カドカワから発売! 書き下ろしの「恐い世界史」は三笠書房、王様文庫から9月発売予定…