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お江与通信(6)~大河ドラマ「江」

今週のお江ちゃんは「初めての父」。



今回は「江」が「江」らしい回でとても楽しく拝見しました!



母上・お市の方がついに(かなり挙動不審な)

柴田勝家と祝言→彼の居城である

越前まで三姉妹と共に嫁ぐという内容でしたね。



お市さんの濃い紫の着物がカッコよかったです。





さて、ティーンエイジャーにようやくなった(!)、

茶々(りえ)と初(あさみ)、そして江(樹里)の三姉妹ですが、

あんな挙動不審気味のゴリラみたいなオトコ(柴田)を

父などと呼べぬ!!と猛反反発味の長女・次女に対し、

江は姉たちの気持ちとは異なる感情がある自分の胸の内を

明かすのでした。



自分には父親と呼ぶヒトがいなかったという江が

勇気をふるい、義父にむかって

「ち、ち、ちち、ち」まで発言するまで・・・が

前半部のドラマ山場だったわけです。





サリバン先生を前にして

ヘレンが、う、う、ウォーーーラーーー!!!って

叫んだ的なカタルシスは

ありませんでした、が。



なぜわたくしは父上と呼べぬのじゃ!!

という自分に腹が立って、悲しくてならない江は馬番から

ハヤテ(命名・江)をひったくると暴れん坊将軍さながら

パカラッパカラッとたんぼ道に飛び出していくのでした。



義父上ーーー!!!



とか叫びつつ(※エコー)。



ところが、道に迷い、雨に降りこめられ、江は戻れなくなります。

義父上および母上、姉様は

帰ってこぬ江のことを心底心配し、眠れぬ夜を過ごすハメに。



柴田さんはそれまで、どこの場末な旅館の中居? 的な挙動不審の

おばさんっぽいオッサンだったんですが、

朝になってようやく戻ってきた江を取り囲む

女子連が「無事でよかった」などと涙ながらに言ってるさなか、



江に平手打ち!



引きずるように庭につれていくと、

「この者にわびよ」

「この馬番は、お前が帰らなければ、クビを落とされていたのだぞ」

・・・と上にたつ者としての生き方を教えこむのでした。



うむうむ、こういう流れで柴田勝家のキャラを描くのであれば

あの俳優さんは最適だったと今さら思ってしまいました。



「不器用な父性」とか「いい人じゃん」とか。

イケメンは、多かれ少なかれ

岡田将生さん(「悪人」)みたいにウラがありそーとか

素晴らしい偏見にさらされておりますもので。



なお、柴田勝家のことを、ホントに「義父上」と呼ぶ、

呼ばないで葛藤があったかは

史実的にはよくわかっていません。

実際はわりとクールだったんでは、とも言われています。



豆知識ですが、江(お江与)が、

死後、朝廷から官位を授けられた時、

文書には「藤原達子(ふじわらのみちこ)」と書いてありました。



なお、達子はサトコであはりません。

当時の公家の日記にミチコとルビ

が振ってあるので ←すよねー! 当時のヒトでも読めませんよねー。



これは浅井長政の娘であるということが、

徳川のヨメである以上に強い意味を

持ち続けた、つまり、当時はそういう社会だったことの

現れだとも思います。

なぜ藤原かというと、浅井家の先祖が

藤原系の公家だったという事実が

反映されてるんです。

ファミリーネームとしての織田、徳川、浅井などは、

実はあまりオフィシャルとはいえません。

平家、源氏、藤原・・・などの姓(カバネ)のほうがより

公的だという考えがあったのです。

何人、父親や後見人が変わろうと、産みの父の血族ほど

強い刻印を人生に与えることはなかったんですね。



ただ、われわれは大河ドラマとしての「江」の生涯を見てるのですから、

今回は、納得いくかたちで父性を(しかも、見てて不快感なく)描けており、

よかったと思います。



母性よりも、「父性」を描くのは、とても難しいことだと僕は思うので。





たしかに、あらすじを書いていくと、激しく「ゆるい」んですけど、

ホームドラマに徹すれば徹するほど

「江」の魅力は増すように思いました。



実際、戦国を描いた作品はイヤというほど世の中に溢れていて、

その中で生活者としての彼らを描いた作品は皆無に等しいからです。



しかし・・・来週か再来週には、その義父上も恐らくは戦死でしょうし、

お市の方も・・・。



今週の秀吉さんもあいかわらず不安定で挙動不審でしたので(w、

今後をドキドキしながら見守ります。



そして、ビミョーな感じに、江の髪型が変わりました・・・

若衆みたいな雰囲気・・・。どこにいくんだ、江!




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by horiehiroki | 2011-02-27 23:59 | 大河ドラマ