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教育者・今村昌平

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この本を読んだのは、教育者・今村昌平という

タイトルが、自分のある記憶をいやおうなく刺激したからです。



僕はけっこうな映画好きです。

ある老舗雑誌で映画について連載してたこともありました

(試写会巡りはかなり大変でした)。



それはともかく、その日は

20世紀も終わりのころだったと思います。

今村昌平の「うなぎ」がカンヌ映画祭でパルムドールを受賞したことに

ちなんで、早稲田大学の大隈講堂で記念上映会がありました。

会の性格は、「うなぎ」を見るというより、その前座である

学生監督による映画2作品を見てね☆

という内容だったような…気がします。









少なくとも、自分はその作品のほうを

強く覚えているわけです。



(「うなぎ」は清水美沙がたいへんなことに!!

というような記憶が濃厚)



なぜなら前座として上映された1本目の作品

(ざ・思春期って感じの)

くちべたな男の子と女の子(学生服)が、

静かに向かい合う「だけ」の映画だったんですけど



ーーーエヴァンゲリオンを通過した世代特有の

表現だったなぁって当時でも思いましたけどもーーー



それを見た、今村監督が

「こんなの、リアルじゃない!!」って

一喝するってのが2本目の作品だったんですね。



駄目だしを撮ったドキュメンタリーです。



なぜリアルじゃないか。



この学生さんによる作品は

詰め襟とセーラー服といった

学生服を着た男の子と女の子

という主要登場人物以外、

誰も映らない。



授業中ですら、彼らしかいない。



ほかの席は誰もすわっていない。

そういう意図で作られた作品だったんです。



リアルじゃないんだけど、それが監督の世界観のすべてだったんだな

(そして予算のすべてなのかも)



それを今村監督はわかって一喝した。

しかし・・・・・



この「教育者・今村昌平」という本の中で、

映画学校を自ら作った今村は

学生たちの世界観や作品を

いったん、必ず、叩くといっています。



それで、「今村さんならそうだけどオレはそうしないんだな」といわれたり

いいかえしたりで、議論をふかめ、

やがて学生監督の目がギラギラしてきたら、これは面白くてたまらん

などと言っているのでした。



目がギラギラ=今村ワールドに巻き込まれてるん

ですけどもね。



しかし、そのしずかな映画の学生監督は

昭和の大監督に言うだけ言わせて、

沈黙。

その後、案外おぼづかない足取りで

杖をついて歩いていく監督の後ろ姿を

撮っただけで議論もなにもしようとしませんでした。



むしろこのうすらさむい沈黙こそが

しずかな作品としずかな監督のリベンジだった

のかもしれないけど。



今村監督のやけに寂しげな後ろ姿もふくめ、

それが忘れられなかったんですね



今村監督は極端なものを描くことで

人間を表現した人です



この本にもそういう美学が反映された原稿や

トークが多数収録されています。





しかし・・・・・



いまなお、あの食い違いについては

色々と考えさせられてならないんです。



たったいま、



早稲田 今村昌平 うなぎ 上映 大学



のキーワードでしらべたら、一発で検索結果が出てきました・・・





あれは
1998年のことだったのか・・・









オール早稲田文化週間

~今村昌平監督 カンヌ・グランプリ受賞記念~

映画「うなぎ」上映会

前座として、その他2作品



5/12(火)

11:00-16:00

大隈講堂
学生

教職員

一般

直接会場へ


学生部








前座として、その他2作品 その二つが

問題の映画でございました。



もっと情報が欲しいような・・・



あの作品を撮った方は今、何をしておられるのでしょうか。






by horiehiroki | 2011-04-02 06:08 | 読書