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ソーシャル・ネットワーク

social.jpgやたらと玄人筋からの評価が高かった

ソーシャル・ネットワーク。



「ヲタクの祭り」を描いた作品ですよね。













そして童貞パワー炸裂の映画でもある。



知性とプライドで覆い隠してはいるから

みうらじゅんとか大槻ケンジの世界とは

隔絶してるけど、基本はモテたいからバンドはじめるのと同じイメージ。

モテたい、それだけで、IT起業する童貞の映画です 



世間的には、現実のコミュニケーションが不得意な主人公が

ネット上のコミュニケーションツールを構築するというところが

皮肉という評価を得てるらしいんだけど、

そのコアが、基本「モテたい」、その一念「だけ」なんで

皮肉で皮相な描かれ方ですねぇ(笑





ちなみに女性とのまともな関係がでてこないため、

男同士の友情が描かれますが、

ぶっちゃけ三角関係で、愛憎のほむらがムラムラ・メラメラです 






本年度(2010年度)ナンバーワンに選んだ

米国の評論家も多かったけど・・・



日本での本音の評価はどの程度だったの、と思いました。









・・・というのも、多くの日本人に、この映画の

主人公が感じる鬱屈は、共有できないんじゃないかって

ボクは思うのです。





外国で、この映画がウケにウケた理由、

ボクなりにその理由を分析すると



文化系というよりギーク(ヲタク層)と

「ハーバードの紳士」を自認する

上流階級(スポーツマン層)の

仁義なき戦いを描いてますよね。



批評家はもれなく前者のギークですしょうし、

高校生・大学生の多感な青春時代を、

後者たちにアタマを押さえられて過ごしたのかな、と。



フィンチャーってそういう作品、最近ふえてるかも



ブラピを使ってた頃は主人公はスポーツマンであるべし

というハリウッド映画の王道の理屈にひきずられてましたが

ジェイク・ギレンホールに、

チェックシャツ着せて、「ゾディアック」で

マンガ描かせてたときとか。

ものすごいギーク臭ただよってました。



あ、でもヲタクにとってギレンホールは、裏切り者だと思います。

ギーク → (養殖ものにせよ)体育会に華麗なる転身とげちゃいましたから。



そして、ギレンホールは筋肉自慢のプリンス・デスタンですよ。今や。



(後記)海外に同じ視点で記事書いてるサイトあったので、リンクしておきます

(英語) → ココから





でもね、ギレンホールみたく自分をモテ筋に改造するんではなく、

あくまでお友だちはパソコンだけ!という

社会不適応の最良例でありつづけながら


ヲタクの下克上をなしとげる主人公を見ると

ギーク評論家はやたらと胸が熱くなっちゃうんでしょうね。



だいいたいね、最初の10分の会話のヤバさに

象徴されるように、主人公の不適応ぶりって凄いレベルでしょ。

名門私立大学に入れた、アタマのよさしかウリがないし、

女の子とちゃんと会話もできないくせに

「おまえ、あのドアマンと浮気しただろう?」

とかいっちょまえに嫉妬して、どんだけという話しですよ。



でもそのギークの中には、むしろオレに彼女なんて

いていいのか的な苦悩があるんだと思うんです。



文化系VS体育会系の対立は、

幸い、日本にはそこまでない勢力分布ですから

われわれがピンとこないのは何となくわかる。



そこまでルサンチマンやコンプレックスを誰かと

その個性に対して感じる必要がない平和な社会=日本ですからね。



しかし、欧米では地位の非常に低い重度のギークも

才能とプライドと根性があれば、

コンプレックスをはねかえし、

いくら社会不適応児でも、大成功することができます。



雇われるのではなく、ビジネスの仕組み自体を作るという

生き方(起業)なんですねー。←ハーバード・スピリッツ!!



でもそんな人生は厳しい山道の連続で

(奇跡的に出来た)彼女を失い、(ただでさえ少ない)友人も失い

満身創痍になりつつ、しかもアスホールとか呼ばれつつ

自分の生き様を貫く、あるヲタクの姿に胸が熱くなる人が

いるから、いや、多いから、高評価をうけたんですかねぇ。



たしかに面白く2時間、画面を見続けることが

出来た映画でしたが、個人的には(特に主人公に対し)





「気持ち悪い」







「へぇー」







「ふぅーん」







「絶対に気持ち悪い」 





という感情の無限ループを辿る内容でした(w



・・・実際、主人公の名前覚える気にもなってないし・・・



ぜんぜんインドア系で、パソコン前にパチパチやってるだけが

能の天然パーマのヲタクが

主人公なんですけど

イーグルスの「デスペラート」って曲が聞こえてくるような・・・



下りてこーい



的なね(笑



たぶん誰も愛してくれないけど




そして、ジャスティン・ティンバーレイク演じるおっさん見てて

やっぱIT長者系のキャラって、ああいう感じなのかなーって。





日本のIT系の社長がけっきょく、モテ筋にキャラを変えようと

必死の努力して、茶色い肌に金のネックレスたらして

開襟シャツとか着ちゃう「◎◎族」的な

イタい金持ちになることが多いんですけど、それと

同じニオイがした。





ちなみにハーバードの紳士を自称する双子、

あまりに似すぎてて、ちょっと猟期色でしたが

残念ながら実際は、一人の俳優さんが演じておられるそうです



そのアーミー・ハーマー氏自身も、石油王の孫だそうです。




by horiehiroki | 2011-06-23 06:53 | 映画