お江与通信(38)~大河ドラマ「江」



第44回「江戸城騒乱」。

ついに秀忠さんが豊臣家を滅亡させて
江戸に帰ってきました。

前回に引きつづき、
平和をもたらすための戦争は「あり」か?
という問題に触れていましたね。

中学の時とか、小論文の授業で書かされたような・・・・・・。

淀(と秀頼)は、江に宛てた手紙の中で「自分がいなくなることで、太平の世がくるのであれば・・・」との想いを吐露してました。

実際にそういう手紙はない、(少なくとも現存はしてない)のですが、彼らは豊臣の人間であるという誇りをかけて戦い、そして敗れていったんですよね。

職分を果たすという感じでしょうか

将軍である秀忠は、淀と豊臣秀頼を自害に追いやった上で、秀頼が側室との間に生まれた子を殺させています。まぁ、史実ではあの手の煩悶をしたかどうかすら。たぶんしてないでしょうね。

いずれにせよ、ドラマでは彼の妻である、豊臣とゆかりの深い江や、初、そして娘の千姫は秀忠の所業をどう受け止めるかという話でした。

千姫は秀忠に猛反発。「父上のことを許しません!!」みたいなことをいいます。

そんな千姫(今回は、本多さんとこの美男の息子に、ひとめぼれしたって設定は消してるようですw)を、弟たちは気にしますが、やっぱり長男・竹千代(家光)より、次男の国松のほうがチョコマカと気が回るというか。この(ドラマの)国松という子は人が欲しい言葉を全部言えるという才能があるようですね。
ただ、こういう人って本人が実際にどう思ってるかどうかはわかりませぬが。

一方で勝利者には敗者にはない種類の苦しみが
襲いかかっていました。

秀忠さんは「(私が手を汚せば)子どもや孫に血を流させることはない!!!」とか叫んでましたが、じっさいに将軍の位は血を要求しますから、そんなことはありえないのでした。
戦場で血を流させるよりも、もっと陰湿で恐いのが平和理で、陰で、流させられる血です。

しかし、その現実をみようとせず、いまだに理想論を叫び、傷つき、ヨヨヨヨと泣いている秀忠さん(・・・弱いダンナ・・・)のことをお江ちゃんが楯になって守ってやるしかないという。

ダンナである秀忠は泣く、妻である江の肩に触れていましたが、あれは妻を慰めるより、結局は自分のため、ですよね。映ってなかったけど、秀忠(向井理)の手はふるえていた。理さん、時々なかなかいい演技を本能的にしてくれます。

それから、次は今回のお江与通信でいちばん述べたいことです。

前回も書くのを忘れてしまいましたが
今回、解せないなぁと思ったのは、
大竹しのぶという大女優をつかいながら
ねね(高台院)の活躍をまったく描いてなかったこと。

関ヶ原の1年ほど前に、彼女は大坂城を飛び出していますね。そして彼女がいた城の部分に家康が代わりに入っている。

いわば豊臣(正確には秀頼と淀)を捨てた、といわれても同然の行為です。

しかし、じっさいには大阪の陣で、冬、夏、その両方で
なんとか戦を止めようと奮闘し、
戦がはじまると輿でかけつけようとしてるん
ですよ。それを徳川家の手で止められ、
二回目はマークされて行くことすら
できなかったというのに・・・

※ウィキの高台院の記事より。

関ヶ原の戦いの後の停戦交渉では大きな役割を果たした経緯もあり、大坂の役でも自ら交渉に出向こうとしたが、今回は家康によって直接行動が阻止され、大坂夏の陣では幕命により木下利房が護衛として付けられた。


ぼくは、ねねには、ねねなりの太平の世へのシナリオがあったんだと思います。
たんに行き当たりばったりで、出て行ったとか、やっぱり停戦させようと思ったから出て行こうとした・・・とかそういうのじゃないと思うんです。

しかし、それは上手く行かなかった。もちろん、ねねだけでなく、淀には淀の、江には江の・・・太平の世へのシナリオがあったはずです。

「姫たちの戦国」を謳うのであれば(ちなみに姫という呼称は出家していないかぎり、生涯現役です。老女でも姫)、そういう女たちのシナリオや祈り、願い、哀しみをもっと具体的に描いて欲しかったなーと。

戦争はいやじゃ!!!とかそういうのだけでなく。

たしかに家康さんは勝利者ですが、あとの女性たちはシナリオもへったくれもなく、ただ家康さんという猛威の前になぎ倒されて行ってるだけ、の印象しか持てないんですねー。

その後の、ねねですが、豊臣家滅亡後も、徳川家から庇護をえて生活しています。
彼女はけっきょく、徳川家にとっては恩人ですから。
高台院という所領を与えられたまま、いわば見えぬ針のムシロに座らせられた晩年を送っているはずです。

なーのーにドラマでは
「江と秀忠の夫婦はいまが危機じゃ・・・」とか
タツ子ママ(今や尼)と静かに家庭問題について語らってるって

どういうこと・・・と。

ちょい残念ですねー。
宣伝ですが新書にちょこちょこ、ねねのパーソナリティについての自分の考えは書いておいたので、また読んでください(笑

あと家光さん(現・竹千代)が
化粧品を持ちだして紅を
唇に塗ってましたね(笑(笑

それを見て、お江ちゃん、
雷に打たれたかのように
なってましたが(苦笑

これも描き方によっては恐ろしい問題に
なる気が・・・(笑


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by horiehiroki | 2011-11-13 23:23 | 大河ドラマ