近代中国に君臨した女たち



昨年、取り溜めたテレビシリーズを見てました。

「近代中国に君臨した女たち」は全四回で
西太后、婉容(”ラストエンペラー”の第一夫人)、宋慶齢そして江青という、「こゆい生き方の女性」がいっぱい出てきました。

個人的に、ガツーンって来たのは江青でした…。
江青は毛沢東の夫人です。
一生の間に何度も名前を変え、
顔・・・というより表情を変え、佇まいを変え、
演技ではなくスキャンダルで売る
あばずれな女優から、共産党首席の
毛沢東の夫人に、それも略奪愛を経て
上り詰めます。

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纏足をされて育った少女時代(でも、徹底的な纏足ではなかったようですね。後年、自分で歩けたようですし)。

そして普通の小学校を退屈だと飛び出て
演劇の勉強をはじめ、大都市・上海で
女優としてすごした青春時代。


彼女はイプセンの「人形の家」の主役
ノラを演じて、大喝采を浴びたのだとか。
その後は映画女優にも挑戦するけれど
あまりパッとしないままだったそうです。
そして、いつしか政治にコミットしはじめ、
毛沢東との結婚をなしとげてるんです。

彼女の姿は、西洋のどこかで聞いた
女性を武器にした女性の一生と似てるようで
まったく違う、どこか、強迫観念じみた
何かを感じてしまうのです。

後に彼女が言ったという

「私は毛主席の犬でした」

という言葉は重たいなぁ。

中国って、最高指導者である王なり公なり
毛沢東みたいな存在でもいいんですけど、
そういう人が亡くなると、彼のパートナーだった
ヒトが粛正される傾向ありません?

中国って常にカリスマが、
生まれ変わり続ける運命の国です。

古代史の教科書に
出てくる有名人も、その多くが
酷い処刑のされ方をしているみたいなんdすね。
たとえば商鞅。
厳格なルール設定、
身分をとわず、違反者には
厳罰を与えるという「法家」の思想で有名な
商鞅も、後ろ盾にしていた始皇帝が亡くなったとたん、次の権力者に処刑されてるんですよね。


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江青も、例外ではありません。

毛沢東が亡くなって、わずかの間に捕らえられ、文化大革命失敗の責任を彼女がすべて取らされ(他の政治的な指導者ではなく、江青が取らされ)、処刑の判決を受けてしまうんです。

「私は毛主席の犬でした」

彼女は自分で選んで、毛沢東夫人としての人生を掴んだ(主体的な女性像)

しかし、彼女は、自分のことを毛主席の犬だったと言わざるを得なかった(従属的な女性像)。

このテレビシリーズで、宋慶齢の回でもあったのですが、若い女性が知的な男性(むろん、かなり年上)とカップルとなるとき、彼を師匠と仰ぎ、崇敬し・・・という恋愛モデルが確立されてるのが気になりました。

ノラを演じて喝采をあびる、あたらしい女と、(儒教的といってもよい)旧い女、その両極端なステレオタイプの女性像の間で江青は揺れ動き…そして、最後の最後には自殺してしまったそうです。

処刑判決は後に無期懲役と変わったのに、ガンにふたたび冒された彼女は、病院で死ぬことを選んだ。
母である江青を憎む、娘との不和もあったそうな。

彼女の人生にはひと言ではまとめられない矛盾がたくさんあり、謎が満ちているのですね。


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by horiehiroki | 2012-01-05 23:58 | テレビ