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平清盛(11)~待賢門院の死


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◇◇◇堀江宏樹の新刊もよろしくおねがいしまーす◇◇◇

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百人一首 うたもゑ

(日本じゃ)世界三大美人なんていわれてる小野小町。でもずっとモテる、恋をし続けるということは、あるいみ「たったひとりの誰か」に出逢えてないってことなんです。平安時代、百人一首に収められた歌人たちの歌をベースに展開する、絵空事ではないリアルにして美麗な恋愛絵巻まんがですー。

藩擬人化まんが 葵学園


大河ドラマでもそうですけど、江戸時代はなぜ「ああいう社会」なのか? なんで現在でも県民性は「ああいう風」に存在してるのか? …みたいなことが漫画+文でザックリと理解できます☆

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今回は

・待賢門院と鳥羽院の永遠の別れ

・義朝さんの帰京

・義朝さん、なっちゃんに「オレの子を産め」「愛しい男の役に立てるのがおなごの幸せ」とセクハラ・プロポーズ

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→自分なら、こういうこと言われたら、一気に気持ちが落ちるというか、抜けてしまいますがw 

・清盛さんの再婚 「そなた”で”よい

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→ときこ の かいしん の いちげき!


・・・というような感じでした。

ほかに阿部サダヲが坊主となり、信西と名乗るようになった、とか。

出世するには生まれもっての身分がふるわず、世をはかなんで出世した信西。

史実では親友の藤原頼長は出家を惜しみ、「こんな才覚ある人が出世できないこの世はおかしい」的な漢詩を作ってたりしました。

しっっかし鳥羽院とタマコさんのシーンと、その他のシーンを見比べると、まるで違う番組だったな(苦笑



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百人一首 うたもゑ

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当時の出家女性は髪をだいたい肩くらいの長さで切りそろえました。これを尼削ぎといいます。
今回のドラマは演出上、多少、肩よりは長かったですけれど。
共に出家したのが、堀河ですね。女主人が出家しても、侍女は特に出家しなくてもよいとされていました。今回のように堀河まで出家するということは、よほど二人のつよい絆が感じられる出来事です。

なお、「出家してしまえば(恋愛)スキャンダルもなにもかもこわくない」という極端な考えが、平安時代末期~鎌倉にかけては生まれていました。
藤原定家の「明月記」にも出家した尼たちの「ご乱行」が、眉をひそめて書かれていたり。

「出家してしまえば」というのは、天皇の兄弟や上流貴族とつぎつぎにデキてしまう二条という女性の自伝的文学があるんですね。「とはずがたり」という。
そこに「父親からのアドバイス」として登場する考えです。

出家は生きながら死ぬことですよね。つまり、出家すると、すべてが自分だけの責任になります。生まれた家や家族と自分が切り離される行為だったのです。


今回のタマコさんは、マジメに仏様にお祈りしています。咳き込んでますが。

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得子さんの攻撃によって、恋愛面で、求められるがままに、のうのうと生き、他人を苦しめていることもしらずにきた「私の愚かさ」を知ったタマコさんでした。




そこに、いまや皇后(そして国母)となった得子さんがあらわれます。髪を下ろしてしまった=敗北宣言をだしたかつてのライバルを見舞った様子。

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この時、得子さんを演じる松雪さんがとてもよい演技をなさってましたね。

「わたくし(得子)にすべてを奪われた」にもかかわらず、「あいかわらず、ふくぶくしげで、にくにくしい御方」であるといいつつ、瞳には涙が浮かんでいた。

敵にすら同情の念をかきたてる、つまり、ヒロイン力無双のタマコさんなのですが(笑、

「俗世に未練はない。しかし、あなた様(得子)のように、人を愛する激しさを知ることはなかったのが心残り」とも言ってました。

ここで注釈しておくと、中宮と呼ばれていたタマコさんの他に、皇后と呼ばれている得子さんが登場していますね。

なんだろうか?と思った方も多いはず。

これ、「枕草子」の時代に起きた「事件」が発端なんですけど、天皇の正妻としては中宮か皇后か、どちらかという後宮のルールが無理矢理、変更になりました。

中宮・定子に対して、新参者の嫁である彰子が、父・道長の後押しで、あたらしく中宮となり、古い嫁である定子は皇后にカタチだけ格上げされ、愛の中心からは追い出されるというような大事件が起きました。

簡単に言えば、これ以降、中宮、皇后は連立する時代となっていったのです。

☆3月28日、↑の「完子」の表記を、「定子」に訂正。余談ですが、「ていし」とも読みますが、「さだこ」と当時は呼んだそうです。資料研究によると。

詳しくはこちらをご参考まで。



さて、この後、「大事件」が起きます。

タマコさんがついに危篤状態になると、鳥羽院は(例のごとく)庭を転げ回られました・・・というのも

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鳥羽院は、スイセンを探してるんですね。このドラマの中で、そして彼の中でスイセンとはタマコさんを象徴する花です。

楚々としていながらも、強い甘い香りを持つスイセン。

夏でありながらも、スイセンを求めようとして、武士たちを駆り立てます。

なんだかんだいって最初はブーたれてた清盛さんも、弟が実は家のために好きな女と別れたことを知り、協力的になるのですが、スイセンをさがす野で、義朝さんと再会。

彼は東国の覇者として、スイセンを(部下にサガさせて)持ち帰ってきたんですねー。

ということで、遅れを取った清盛さんは地団駄ふんでくやしがります。

一方、義朝さんは(清盛も)鳥羽院の本当の気持ちなど無視です。ただ、権力をもつ院に取り入ることで、おこぼれを得ようとしているだけ。

このあたりのドライさには哀しさを感じました。権力者の孤独です

まぁ、実際、鳥羽院は恋愛事件で有名で、たとえばこれは説話にすぎないでしょうが、いわゆる九尾のキツネがやってきて、帝をたぶらかせた…という伝説にも登場させられてます。玉藻の前の話でござるな。

それはともかく。

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鳥羽院は義朝がもってきたスイセンを片手に、瀕死のタマコさんの元にいそぎます。彼は両手で重たい木の扉を勢いよく開け、タマコ タマコ と何度も愛しい女性の名を呼びます。
この時の三上さんの声が本当によく、さすがだと思いました。

タマコという響きに込められた鳥羽院の複雑な気持ちと溢れる愛情が感じられて、筆者も思わず泣いてしまったことです。

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鳥羽院からスイセンを手渡されたタマコさんは、愛について悟ったと語ります

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「人を愛しく思う気持ちの、なんときよげで優しい・・・」
「ああ我が君 わたくしの心はいとしさで・・・」

臣下によって病室からつまみだされた鳥羽院は重い木の扉にすがりついて、タマコさんの最期の言葉を聞いていました。

この時もすばらしい演技でしたね・・・

なお、この時のBGMはピアノの独奏でした。
いいメロディでしたね。カッチーニというイタリアのバロック初期の作曲家が残した「アヴェ・マリア」、もとは声楽曲です。


スラヴァっていうカウンターテナーの録音で一気に有名になったかな。


韓国出身のソプラノ、スミ・ジョーさんの録音も有名です。

老婆心ながら、スラヴァ版、スミ・ジョー版ともに、バロック時代初期にかかれたオリジナル版とはかけ離れた編曲かと存じますw 

カッチーニはフィレンツェのメディチ家に仕える宮廷音楽家で、音楽史的には、オペラの原型を作った人ということになっていますね。

ドラマティックなメロディなんで、盛り上がる編曲で流通してますねー。

カッチーニの他の作品には、こういうのもあります

「麗しのアマリリ」

陰影に富んだメランコリックなメロディが特徴です。

クラシックなんてきいたことにゃーいという人、イタリア語なんてわからにゃーいというひとも、「アマリッリ」という意中の女性の名前を呼ぶ部分に注目。苦悩と悦びが交錯してるのが分かると思います。

さて、清盛さんをビッグな男にする時子さんが、今回、「このさい、そなたでよいわ」式のプロポーズを得て、結婚するんですが。アレ、どーなんでしょうね(w

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森田剛が出てきたのは面白かったですね。
彼、演技上手いんですよね。映画「人間失格」でも、繊細な演技見せてました。ちょっと注目です。

いずれにせよ、鳥羽院とタマコさんという宿命の愛を象徴するカップルを描くのも今回が最期。

毒がぬけて、一気に「若い」内容にならないか心配ですが・・・次回も楽しみであります。
by horiehiroki | 2012-03-27 02:04 | 大河ドラマ