有識装束なぅ(1)

本日は有職装束研究 綺陽会さんの研究所におじゃましてきました!

お話を伺ったのは、代表の八條忠基さん。 

今度の本のための、打ち合わせだったのですが、もともと興味のある分野ですので、色々と質問させていただき、すばらしい体験ができました。

有識装束(ゆうそくしょうぞく)とひとくちにいっても、明治時代と現代とでは、大きな違いがあるんですねー。それはまず、美意識の変化ということもありますが、伝統工芸ゆえに、職人さんの技術がうまく受け継がれないという残念な側面もあるようです

たとえば、高貴な女性が正装した時に手にもつ、扇。
これらは木製です。

綺陽会の代表である八条さんの貴重なコレクションを目の前で拝見することができました。
これは昭憲皇太后さん(つまり明治天皇の皇后陛下)のお使いになっていた扇だそうです。

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扇の持ち手の部分を比べてみると分かるとおもうのですが・・・

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こちらが、現代の職人さんの手による扇です。
悪くいえばゴツい。
明治時代の扇のほうが、まるで違うというか、繊細かつ華奢ですよね?(なお、この扇はパカッと開いて、扇いだりはしないそうです)

現在の職人さんの技術だとこのくらいで精一杯なのだそうな・・・

一方、こちらの扇は男性用です。
ホネが木、扇面は紙で出来ています。
具体的には「かわふりおうぎ(蝙蝠扇と書くが、もともと「当て字」だそうです)」といいます。実際に扇ぐために存在するのだとか。

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市販の扇などに比べて、やや大きいのと、横幅はあまりないのが特徴的だと思いました。


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ほら、柄の部分もホネが5つだけしかありません。あまりパカーっと扇を開いてしまうのはかっこ悪いという美意識でしょうか。

天皇の側近である、蔵人などが使ったものです。
つまりこの扇の持ち主であるということは、天皇側近の証であり、誇りでもあったのですね。

現在でも装束を着て宮内庁の人は色々なさってるわけですが、こういう扇をもって、扇がないと暑かったりするそうですよ(笑

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そして、こちらは皇族・貴族の平服だった、直衣です。
もしくは、身分の高い人の場合は、この手の平服で半・公式の場に出るという勅許を得ることができ、これがステイタスになりました。源氏物語にも出てきますよね。

直衣の色は年若いほど濃く、老齢になるほどに白に近く、薄くなります。これくらいの紫だと二十代の色だそうです!

夏用の直衣なので、このように透けているんですが(手の出演・八条さん)

下に着る衣裳との兼ね合いひとつで、非常に美しく見えます。

なお、直衣や衣冠・束帯、および女性の服の場合も、すべてがワンサイズで、着付けしだいで、どうとでもなるようです。
女性の場合は、衣の下にズボンなどを履いても一向に分からないほど、体型を隠す効果がありました。
・・・これは、妊娠しても誤魔化すとか、そういうことがホントに出来たという証ですよねー。

八条さんのコレクションの貴重な品物をいろいろ撮影させていただいたので、またブログでも「小出し」に紹介させていただく所存ですー!

今日は本当に楽しかったです
八條忠基さん、ありがとうございました!
by horiehiroki | 2012-03-28 20:07 | 歴史・文化