アートフェア東京(1)

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本日はアートフェア東京に行ってきました!
冒頭のスピーチでは、ただの見本市ではなく、現在の東京で発信する価値を集めたアートフェアとして、ディレクションをした内容だというお話が。
ドイツ銀行グループがこのイベントのメインスポンサーでした。
銀行が現代アートを多数所有し、それらを展覧会用に貸したりしているという事実を知って、日本の銀行とのイメージの違いを思い知りましたです。

今回は会場規模が1,5倍に拡大したそうで、スタッフさんは大変そうでしたね。

また、台湾、ソウル、中国など、お近くの国のギャラリーの出展も多かったです。たとえば↓の二つ。

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こちらは韓国のアーティストの方の作品。
映像作品で、沖縄の何種類かの洞窟を撮影した映像を、アーティストさんが編集。ライティングを変更&各映像をくっつけたりして。幻想的な光景のようで、実はこの洞窟では戦争中に多くの人が亡くなったそうな。
そしてこの映像を撮影したカメラマンの奥さんは沖縄出身だとか(英語)。
彼自身がモダンヒストリーに関心があるといってたけど、こういう意識のあり方が、日本のアーティストとは違うなぁっておもいました。アーティストさん自身が自分の作品に興味を持ってる人間に、積極的に話しかけてくれる態度とか。

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こちらは台湾のアーティストの陳松志さんの作品。興味ぶかくみてたら、画廊の人が英語で、話しかけてくれた。
ちなみにこの木材のインスタレーションは、本日、一気に貼り付けたものらしい(笑)。
色んな家の壁だった木(廃材)を、アートとして再生させてる。他には壁紙を使ったモノとか。色んな場所にあった、色んな素材が、色んな時間の層を生み出してるんだって話してくれた(英語)

リユースといえば、↓の淀川テクニックさんのインスタレーション。海でもなく池でもなく、淀川に流れついたゴミを拾ってきて、構成していったという意欲作です。

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近付くとゴミで出来てることにビックリするという。キッチュというより、どこかなつかしいメロウな感じなのが◎。

こちらは大畑伸太郎さんの作品。

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湿度が感じられる画面。作家さんともお話してきたけど、今の日本で描かれた油彩画だと思う。
立体は発泡スチロールをカッターで削って、さらに彩色した和紙をはりつけたもの。すごく繊細な色彩感です。

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ちなみに右と左とだったら、要素が少ない分、明け方の駅を描いた左のほうが描くのに時間がかかったとのこと。右のほうがよほど複雑だから、そちらのほうが・・・と思ったけど見るモノと創るモノとの感覚の違いですな。

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「わー かわいい」とか思わず言ってしまったのがこちら。福重明子さんの作品。
ご本人ともお話ができました。関西弁があたたかい感じの素敵な女性です。並行して創ることもあるけれど、一枚が完成されるまで、3ヶ月かかったとのこと。ついでにノルウェーに滞在しつつ、自然や町並み、動物たちに強い印象を受け、その影響の中で描いていったので、当時は早く筆が進んだらしい、ですが。
ものすごく繊細ですよね。

たとえば、一つ一つのモチーフが、細胞のように細かな袋で構成されてるんですが・・・・写真でわかりますかね。
これは、お花 なのだとか。素敵な光景を見せてくれた世界に感謝を込めて、お花 という。なかなかそういうふうに考えられないですよね! アーティストならではの感覚に触れられた瞬間でした。

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こちらは杏橋幹彦(きょうはし みきひこ)さんの異色作。

最初は並々ならぬパワーを感じ、「嵐の雲?」と思ったら、なんと海なんだとか。

それも海に潜って、海面を撮影している。

具体的にはサモアの島から100メートル以上泳ぎ、外洋に出てしまったあと、自分の身体と感覚だけを頼りに、素潜り(!)を敢行。

波と波とがぶつかり合うパワーを写真に収めるというチカラワザで撮影されたものなのだそうです。

「魚が写ってないですね」というと、魚はこんな波の激しいところは避けて泳いでいるのだとか。

実際に、上の写真の左端の作品などは、荒波のウズに巻き込まれつつ、それでもカンでシャッターを切る。

カメラを構えるどころか、うつってくれ!的なかんじで波にもみくちゃにされつつ、身体をひねってボタンを押すのがやっと・・・という決死の撮影をつづけておられるとか。

「修行みたいなものです(笑)」といっておられましたが。

作家さん本人も精悍な方で、海洋の専門学校を出ておられるみたい。異色の経歴でアーティストになられた方みたいですよー。


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そしてこの絵、すごい迫力。和紙に墨で描かれてる。完全に停止した、静かなようでいて、よく見ていると細胞のいっこいっこのうごめきさえも感じさせるのです。この白菜、葉のあたりがシワシワになっているでしょう。時間の感覚がさりげなく導入されている。画面は冬の夜のように静かで、「死」すら感じさせるんだけど、うらはらにすさまじい生命力と呪術的なパワーをかんじました。生井厳さんの作品。
by horiehiroki | 2012-03-29 23:02 | 展覧会