平清盛(26)かえってきたタフマン
2012年 09月 05日_____________
◇◇◇堀江宏樹の新刊もよろしくおねがいしまーす◇◇◇
百人一首 うたもゑ
(日本じゃ)世界三大美人なんていわれてる小野小町。でもずっとモテる、恋をし続けるということは、あるいみ「たったひとりの誰か」に出逢えてないってことなんです。平安時代、百人一首に収められた歌人たちの歌をベースに展開する、絵空事ではないリアルにして美麗な恋愛絵巻まんがですー。
藩擬人化まんが 葵学園
大河ドラマでもそうですけど、江戸時代はなぜ「ああいう社会」なのか? なんで現在でも県民性は「ああいう風」に存在してるのか? …みたいなことが漫画+文でザックリと理解できます☆
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今回は、清盛君が重病に。
意識不明の当主を横に、結束のかたい(はずの)平家一門にも色んな人々の意向やら欲やら願いが交錯し、屋台骨がグラグラと。
また彼に協力的だったハズの人もまた、裏の顔を持っていた。
それが表に完全に、ではじめてしまった回です。
しかしその中で、つねに陰に日向に清盛にくってかかっていた後白河さんが、本当はいい人で清盛が大好きなんだということがわかり(後白河=構って欲しくて非行する子 清盛=夜回り先生 的な)、ちょっとホロッとする回でもありました。
最近の松山ケンイチって目をつむってても武士って感じですね。野武士でもなく、貴族でもない、平家の頭領の”品格”があります・・・。
その清盛君が病気になってくれたおかげで(?)
先週の予告編でまさかの再登場、それも回想ではない再登場になった白河院(伊東四朗)。
これはテンションがあがりまして候。
彼は「ここはワシの世ぞ」といいきっても不思議ではない巨大な存在感のキャラだったと痛感されます。
そういう人たちのご威光が清盛を当初支えていた、と。
当初「清盛」は白河院をはじめとして巨大な、キャラの濃い、濃すぎる人たちつまり「もののけ」班が大活躍していました。
先年の「江」がハッピーな感じを貫きまくってたのに対し、
いきなり白塗りお歯黒の忠実パパ(國村隼)とか
ナチュラルビッチというか、貞操観念などどこふく風の璋子さん(檀れい)とか、
庭を高速で転げ回るのが得意な鳥羽ちゃん(三上博史)とか・・・
今回はそういう人たち(の一部)が回想もしくは再登場というかたちで清盛にもどってきました。
そして改めて「清盛はいいドラマなんだ(あるいは、イイドラマだったんだ)」
ということを認識したのですね。
とくに白眉だったのは
松田聖子演じる現・乙前(旧・祇園女御)が
「あそびをせんとや」と病床の清盛のそばで歌ったシーンです。
流れていたオーケストラのBGMにのっていきなり登場人物が歌い出す・・・なんて往年のミュージカル映画みたいでテンションがあがりました(たとえば「シェルブールの雨傘」みたい)
それに続いて、舞子(吹石一恵)さんのナイスセリフですよ。
あそんでいるこどものように全力でいきていれば
(武士がこの世にいる理由も)わかるはず・・・
これはね、この人でなくても、胸を打たれました。
そうだ、最近清盛のドラマ内容・ドラマのクオリティが迷子状態にかんじるのも、最初にあった、なぜ、武士は生きるのか・・・という存在にたいする問いが「いい世を作るためには志のたかいわれわれ武士がなりあがるべきだ!!」っていう、シンプルすぎる理屈に、すり替わってたからだろう・・・と思いました。
後者のほうがわかりやすいけどね。
今回の清盛のおもしろみは、白河院の子として清盛を全面的に設定してるところです。
それゆえ単純に平家がなしあがったんだけど、盛者必滅、源氏に取って代わられちゃったネーなんて単純な話ではなくなってます。
清盛は自分が誰であるかを人に、自分に、問い続けていました。
清盛くんみたいに自分探し系というか、ワナビー系の主人公はわりと大河には少ないです。
名前をあたえられ、その人生をあたえられ、その枠の中で生きていく人ばかりですから。
でも清盛くんはちがった。
でもいまは彼は自分を平家の頭領として完全に認めてしまってる。
主人公としてのドラマは、とまってしまった。
雨の中、熊野詣を途中でうちきってまでかけつけてきた後白河(松田翔太)は、いまだに自分が誰であるかを
探しているんですが・・・
またこの後白河との関係もそうですが、武士の頭領ではあるが、実は天皇の息子である永遠のグレーゾーン・清盛とは誰だったか、彼はなんになろうとしていたのか・・・それを問い続けた内容だったから、おもしろかった(あえてかくけど)んですねー。
今回はもはや最高権力者になってしまってる。彼はすでに「上がり」です。よくもわるくも。
でもそこから先の景色を(白河院がいうように)清盛くんはドラマのなかだけにせよ見ることはできるのかな、と思いました。
あなたさまを越えてみせる!
なんてセリフも空元気のようにも思いました…
この時の白河院の笑みって、すごく深いなぁっておもいます。
もうすぐ清盛君の死期は迫ってますしねー。
自分も白河院みたいな爺さんになりたいですね←
しかし、松山ケンイチは9ヶ月かけて、完全に清盛になったな、と。
白河院でなくても目をほそめたくなりますよー
院の言葉とされる
「鴨川の水、双六の賽、山法師、是ぞ朕が心に従わぬもの」
これについても今回は効果的に引用・説明がなされました
こういうことが言える人だけが見ることのできる景色って
どんなものなんでしょうか・・・・・
あとドラマの白河院ですけど、この人は、祇園女御にだけ
甘えられるんだなって思いました。
双六をひっくりかえしたり、1回目か2回目の出演分では
手をあげたり「お前みたいな白拍子あがりの女に
何が分かる」と暴言を吐いたり・・・
まぁ、男としては最低ですが、
そういうカッコの悪いことを出来る=弱みを見せられる相手は
彼にとって祇園の女御しかいなかったんだなーーって
つくづく思いましたね。
祇園の女御には「お前が考えるより院は怖い人だ」って言い切られてましたが(w
あと、この人も再登場でしたねw
ナイス顔芸
今回を第2部の終わり。もしくは第三部の冒頭に掲げておくべきだったのでは?
とか思っちゃいました。
来週はどうなるんでしょうかー。