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岩波茂雄の別荘

「惜櫟荘ものがたり」、というBSでやってた番組をみました
ドラマ版だけど、山本耕史が主人公演じてた「居眠り磐音」シリーズなどの原作者の作家・佐伯泰英さんの志が、築70年を経て老朽化し、さらに売却されようとしていた惜櫟荘を救った、と。

惜櫟荘は、伊豆の山中にある岩波茂雄(岩波書店創業者)の別荘。
敷地内の櫟(クヌギ)の木を残して設計してほしい、と、新しいタイプの数寄屋建築を作っていた吉田五十八に頼んだことがきっかけとかなんとか。

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とにかく目立たないところにも金をかけなさいという岩波の意思を汲んで作られたというけど、まさにそこらへんが数寄屋というものです。
数寄屋、好き屋、ちょっとコダわりのあるヒトの家って感じですもんねー。
わりとモダーンな感じです。

建物面積は30坪足らずの小さな家、というから現在の建て売りの一軒家の1階~3階程度の面積に相当……っても、こちらは平屋で30坪あるわけですから、現代人の目には比較的ゆとりのある感じには映るとおもいます。
高級な旅館の別館って感じでしょうか。
実際、アンジェイ・ワイダなど海外の文化人だけでなく、幸田露伴(長生きした甲斐があるというものです)、志賀直哉などなどが訪れ、数日の滞在を楽しんだ、と。

今回の大改修工事を企画なさって、成功させた佐伯泰英さんは、みずからを番人とよんでおられるようで、そういう態度もふくめ、ふるきよき文人の伝統の空気がただよっている空間です。おもしろかったなー

当時は出版物の黄金時代だったと思います。
高みをめざしている時代。
現在の日本人は・・・というと、たしかに比較はされますし、教養水準は落ちてるかもしれません。
話された言葉に対する理解度はさほど落ちてはいないんですが、確実に印刷された言葉に対する、理解力が落ちてる。正確には共感力というべきか。
文字全体が駄目というわけではないんですけどね。
だからもう駄目、とかそういうわけではなく、文化というものを・・・いやもっと具体的にいうと伝えるべき声が伝わるように考えるべきなのが出版業のあり方だとおもっとります。





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◇◇◇堀江宏樹の新刊もよろしくおねがいしまーす◇◇◇

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百人一首 うたもゑ

(日本じゃ)世界三大美人なんていわれてる小野小町。でもずっとモテる、恋をし続けるということは、あるいみ「たったひとりの誰か」に出逢えてないってことなんです。平安時代、百人一首に収められた歌人たちの歌をベースに展開する、絵空事ではないリアルにして美麗な恋愛絵巻まんがですー。

藩擬人化まんが 葵学園


大河ドラマでもそうですけど、江戸時代はなぜ「ああいう社会」なのか? なんで現在でも県民性は「ああいう風」に存在してるのか? …みたいなことが漫画+文でザックリと理解できます☆

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by horiehiroki | 2013-06-18 15:42 | 歴史・文化