某全力教室


講師に、IKKOが登場!片付けができない女性たちを相手に、熱血授業を展開!『全力教室』
という先週日曜日に放送された番組に対し、ネットでは「美容家のIKKOさんが、ある女性の発言にキレて、カツラを脱ぎ捨て激怒」、みたいな所にばっかり(?)注目が集まってるんですよね。

でもこの番組を見て、自分は思うことがあったなぁー。

IKKOさんって凄いですよね。

失礼ながら初めてそう思いましたわ。

たぶんテレビ側としては、お部屋を片付けられず、汚いままで生活してしまう女性たちを、美は高い美意識からしか生まれないって持論のIKKOさんが叱り、はげまし、云々・・・って小綺麗な展開を考えてたんでしょうけどねー。

ホントに部屋が汚いままでずーっと住んでる人って、ぼくも信じられないんですよ。

たんにだらしない女ならまだマシ。
それよりウチらの(出版)業界とか、ホントにいまでも「働きマン」みたいなヒト(を劣化させたようなシロモノが、特に女に)多くてね。ま、その人らの自宅がどうなってるかは知りませんけど。たぶん自分では家事はまともにしてないとおもう。

仕事してるからいいだろ、と。
仕事がんばったら全部帳消しになるだろ、と。

そういうヒトに共通するのは、自分以外は全部モノ扱いという傲慢さなんですよね。

なんでそういうことができるかっていうと、生活を軽視してて、生活してる人間もバカにして、自分はまともな生活しようともしてないから人間じゃなくなってきてるんです。
自分もモノに近くなってる。
自分のコンプレックスやらなにやら、すべて仕事の成績ではね返そうとイジ張って、ヒトの気持ちもまったく考えることもできなくて、すべてがすべて自分の自己実現の道具とかモノみたいに扱ったりしてくるんです。


ウチの業界に関わらないんですけども、ものすごくイヤな目に合わされたこと、何回もありました。
もう怒ったりとかそういうレベルではなくて、呆れたっていうかなんていうか。

他人がいま、どういう状態にいるのか。
とかまったく考えもしないし、想像もできないし、なんでもかんでも自分の都合の良い風に解釈して、それを勝手に信じ込んでて、違うとなると猛然と叩いてくる、というような。

本って誰かの人生を変えるかもしれないもんじゃないですか。
他人と向かう術もしらず、自分の世話も自分で出来ないような人間が、そんな大事な作業に携わっていいの?って思ったりもしたことがあります。

でも今でも何か書いてるのは、少しでも誰かのために生きられたらって思うからです。

僕自身もね、本当にある時、人間力が足りてないって痛感して、辛い目にもあって、変わろうと決心するまで、掃除も家事もやらないままで30くらいまで来ちゃってました。

「生活? 召し使いにまかせておけばいい」とかいうリラダン伯爵の言葉かなんかがあるんですけど、そういうことを標榜して、掃除機すらほとんどかけたがらないズボラーなイキモノだったんですわ。親にぜんぶ任せてしまってね。自分は仕事して、あとはふわふわ遊び回るだけ。
そういう人生送ってきたのは、恥ずかしいです。

それでも、そんな人生だとホントに色んな大事なものを失ってることに気付いて(人間としても、表現者としても)、その頃仕事で・・・たぶん「篤姫」の幾島を演じてた関係でのインタビューだったとおもうんだけど、女優の松坂慶子さんが「丁寧に生きることを大事にしてる」って仰ってるのに直に接したりする中で、「生活の大事さ」に意識が向かっていったんです。

自分は美しいモノについて描いたりすることも多いけど、そんな自分の世話もできないような汚い部屋にすんでる人間が、美について描けるのかっていう根本的な疑問ですね。



・・・で、話がずれたけど、IKKOさんがやりたかったのは、そういう(自分で自分の世話すらできず)汚い部屋に住むようにいたる女の根性のたたき直しなんだと思いました。
そもそもキレイになりたい、モテたいってクチでいってるだけで、まったく美意識の片鱗ももってない。
美意識を説いて聞かせるには、あまりにも生徒の意識が低すぎたんだと思います(笑

たとえば、夫と共同で会社をたちあげ、経営していく中で忙しくなり、それでも主婦として、(外では夫と同じ仕事をしてるにもかかわらず)家事をやるのはいつでも女の私だ、と。
それに重圧を感じすぎてウツ気味になって、通院までしたって女性が出てきましたよね。
自分が休日にエステを3つも通ってキレイになることに時間を費やすけど、炊事も掃除もしたくない!って固執することに潜んでる病理みたいなのに、IKKOさんは突進していくわけです。

(彼女の場合、譲れないとおもうところには、過去に従業員にナメられた、それも優しく接しようと努力してた時に・・・って苦い経験もあったみたいだけど)

彼女は「私が妥協して、今は彼のために洗濯くらいはやってやって「あげてる」んだけど、彼は家事を手伝うことは断固拒否したまま。腹がたつ」なんて発言をつづけます。
私だって仕事してるんだし、コレ以上妥協なんかしたくないって思ってる・・・という女性に対して、「好きだったらやってやればいいじゃない」「女なんですから!」というような独特のフシまわし、言いまわしですが、IKKOさんはアドバイスしていきます。

ここらへんが次の火だねを孕んでたんですけども、真意としては次の様な感じ。

イジ張っても仕方ないんだよ(ホントにしんどいときに、家事やれなんて私はいえないけど)、と。
相手がおれないとき、相手を好きなら、自分が折れてやるしかないじゃない(すくなくとも最初は)、と。

・・・・・というように翻訳が必要な編集内容でね、
そういうのがすっごく残念でしたけども。

編集だけでなく、会場にいる生徒さんにもその辺りはつたわりきれず、次の爆弾が爆発します。

カツラ脱ぎ捨てるに到ったあたりも、ハスに構えたコメントですわ。

「女でもないくせに女のアタシに”女なんだからちゃんとしろ”とか説教すんなよ」的なことを、その別の女性がいい出すんですね。

そりゃ人間って感情の動物だから、言葉そのものでなく、何をこの人は言おうとしてるのかって判じなきゃいけないときもあるじゃないですか。

でも、その女性は主張とか論点以前の段階で誰かの思想を封じこめてしまう、そういう言葉をIKKOさんに投げつけます。で、IKKOさんがキレてみせたのは、そんなことは、ヒトに一番失礼な行為なんだ、と思わせるためなんでしょうか。

あとイジメについて。
イジメッ子が全部悪いんです!って言い出したメガネの女性に対してキレたのも、結局、主張ではなくて言葉尻をつかまえて反論してくるのってどーなの、というところかと。

こういうふうに言葉にまとめるとメチャクチャシンプルで誰にでも通るんだけど、「(女性に対し)アンタ、ヒステリックね!!」って激昂しつつ、直接向かい合いすぎて、シャウトしつつの全力授業ですから、まぁーーー、ね。

あの場にいない限りはなかなか真意が人には伝わらないかもな、と思いつつ見てました。あれはあれでおもしろかったけど。

7時間もしゃべってシャウトして泣いて、叱咤激励したのが40分弱のVTR,それも心ない発言にいくら講師として呼ばれたとしても、ヒトとしては許せないところがあったんでしょう、カツラ脱ぎ捨てて・・・みたいなところに番組のツボがいっちゃってるから。
そういうところが残念。

でもね、自分もこの番組見た理由って、カツラ脱ぎ捨てってIKKOさんの芸風って、今はそういう風になっちゃったんだ(笑)、みたいな高みの見物決め込むつもりだったんですけど、しかも飽きたら途中でやめよ、とかおもいつつも結局、全部見ちゃってました。

で、・・・・・・見終わったら何が残ったかっていうと、IKKOさんてすっげーな、という畏敬の念ですわ。

全力で誰か・・・・それも別に今日別れたら、次に会うことなんてないかもしれないヒトにも向き合う、なんてこと、それこそ全力で避けてますよね。
時間もったいないし、とか思うし。
しかし、IKKOさんってあくまでそういうことはしなくて、熱血なんですよねー。
クチでいうのは簡単だけど貫くのはホントに困難なことだと思う。

「美容術とかじゃなくて、あえてこういうテーマにしたのは、わたしのメイクの全盛期はとっくの昔に過ぎてる」なんてポロッと口にしてる冷静さ、客観的な分析力と裏腹なまでの情熱ですわ。

「どんだけ~」ってIKKOさんがテレビに出始めたのって、かなり前ですが、いまだにずっと「背負い投げ~」とかいいつつも仕事が続いてるのって、やっぱりIKKOさんの人間力なんだろうなぁって感じる。
部屋片付けるとか片付けないの前にね。


てかさ、その前にカツラとって、メイクまでハギとらせて、すっぴんになったIKKOさんをあの番組、見せすぎ(笑
たしかにブログとか調べるとIKKOさん、最近はすっぴん画像をよくUPしてるみたいですけどね。
あの番組はあくまで、美のカリスマ・IKKOが講師として教室に降臨、ガチンコ勝負に全力で挑む…というのであって、です。
それは魂が裸になれるかどうかの問題であって、カツラネタはともかく、控え室画像もIKKOさんのアイデンティティである、キレイな自分、こうでありたいと思う自分に変身した姿で通してあげてほしかったな、とは思いました。 ご本人の意思かもしれないけどw


by horiehiroki | 2013-11-19 14:24 | テレビ